時間を生み出すフレームワーク「ECRS」|誰でも簡単に業務改善が出来る魔法の考え方

毎日忙しく仕事をこなしていると、「もっと時間がほしい」と思うものです。

あまりに忙しいと、残業が発生したり、クオリティの低下などを招きます。

時間がない時間がないとぼやいてみても、時間は生み出せません。ですが実際、どう手を付けたらいいかわからないものです。

そんなときは、「ECRS」で考えてみると、業務改善がスムーズに進みます。


「ECRS」とは?

「ECRS」は、「業務改善のためのフレームワーク」です。



「イーシーアールエス」や「イクルス」、または日本語訳の頭文字をとって「ないじゅか」と読みます。

もともとは製造現場で業務改善をするために生み出された考え方ですが、他の業種でももちろん、家事やプライベートでも使用できるすぐれものです。

それぞれ英語の頭文字をとった4文字、

E:Eliminate「なくせないか」
C:Combine「一緒にできないか」
R:Rearrange「順番を変えられないか」
S:Simplify「簡素化にできないか」

で、「ECRS」です。

日本語訳の頭文字を読むと、「な・い・じゅ・か」となります。このほうが内容と順番を思い出しやすいのでおすすめです。

「ECRS」の使い方



業務改善をしようとするときは、

E:Eliminate「なくせないか」
C:Combine「一緒にできないか」
R:Rearrange「順番を変えられないか」
S:Simplify「簡素化にできないか」

の順番で考えていきます。

この、順番を守ることがポイントです。

なぜならECRSは、業務改善効果の高い順番に並んでいるからです。

 

「ECRS」を使ってみる

例をあげましょう。

 

たとえば総務課で、各部門が使用した事務用品の種類と個数を記録した表を作成する、という業務があったとします。



この表は毎週末に作成し、手書きです。さらに月末にはこの表を元に、1ヵ月の集計をし、上司へ提出します。

 

もし、ECRSを使用しなかったらどのような改善をすることになるでしょう。

・手書きをやめてエクセル入力とし、1ヶ月の集計作業を短時間で行えるようにする

・毎週の作成をやめ、月末集計時にまとめて聞き取り集計することにより、総合的な作業時間を削る

・週の入力は各部門にまかせ、総務可は1ヵ月の集計のみ行う。

こんなところでしょうか。

 

ところが、ECRSではまず、「なくせないか」からスタートします。

 

実際調べてみると、この表は法的にも社内ルール的にも必要のないものであることがわかりました。

提出先である上司にも直接聞いてみたところ、どうやら前任の上司が把握のために作成を命じた表だったようで、現任の上司は特に必要としていないようです。

 

そこでこの表の作成業務は、廃止となりました。

 

これがECRSの効果です。エクセルで表を作ることすら必要がなかったわけで、「なくす」という最も効果の高い改善結果を得ることが出来ました。

「今している業務をなくせるはずがない」という固定観念からまず疑うわけです。

 



なお、もしも「なくせないか」を検討した結果、無くせなかった場合は、次のステップ「一緒にできないか」に移ります。

こうして、改善効率の高い順にステップを踏んでいくことで、効率よく業務改善が行えます。

 

では各ステップの具体的な使用方法をご紹介します。

 

ステップ1 「なくせないか」

業務そのものをなくすのが最大の改善、という考え方です。

ECRSの4つのステップの中で最も重要です。

実際ECRSをやってみると、この「なくせないか」でなくせてしまうことが多々あります。

 

ステップ2 「一緒にできないか」

2つの業務を同じタイミングで行えば、トータルの作業時間は短くなる。

2つの業務の同質作業は同じ人間が行うことで、トータルの作業時間は短くなる。

 

このように、タイミングや作業する人間、記録書類の統合や保管ファイルを、「一緒にする」ことで改善出来ないかという考え方です。

 

ステップ3 「順番を変えられないか」

作業手順を入れ替えるなどをして改善する方法です。

 

たとえば、A→B→Cという作業工程があった場合。

B作業が、C作業を終えたあとのほうが短い時間で済む場合があります。

B作業を行うために必要な計算を、C作業でも行っている場合などです。

このような場合、

A→C→B 

という順番に入れ替え、Cを先に行うことで、B作業で行っていた無駄な計算を行わなくてよくなります。

 

ステップ4 「簡素化にできないか」

なくせない、一緒にできない、順番も変えられない。

こうなると、作業そのものに手を加えるしかありません。最も効果的なのは、簡素化、すなわち「シンプル化」です。

 

特に長年行ってきている業務などは、業務改善の名の下に知らず知らずのうちに手が加えられ、複雑な作業工程になっていることがあります。

こうなると、もう熟練者しか行えない作業になっていますし、建て増しを繰り返しいびつで無駄な作業で彩られています。

 

一度「0」に戻し、最初から作業を組み直すのが最も有効です。



以上、ECRSをご紹介しました。

前述しましたが、仕事以外にもプライベートでもとっても役立つフレームワークです。

限られた時間を有効に活用するためにも、ぜひ活用してみましょう。

 

 

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