モデル就業規則、ついに公開|副業・兼業が原則OK

本日(平成30年1月31日)、厚生労働省ホームページにて新しいモデル就業規則が公開されました。



厚生労働省HP

前回、モデル就業規則が改定されたのは平成28年3月でしたので、およそ2年ぶりの改訂となります。

 

今回の改定の目玉は、なんといっても、副業・兼業の解禁。

 

具体的な内容についてご紹介します。

 

モデル就業規則とは

そもそも就業規則とは何でしょうか。

 

労働者の労働条件は、基本的に個々の労働者と使用者(会社)が締結する「労働契約」で定めます。

 

これと並び、事業場の全労働者を対象として労働条件等を定めた規則が「就業規則」です。

 

通常、常時10人以上の労働者がいる事業場であれば作成義務があり、職場に備えおいてあるはずですので確認してみましょう。



就業規則を0から作成するのはかなりの労力を要します。

 

必ず記載しなければならない事項と、定めているなら記載すべき事項などがありますし、そもそも就業規則の内容が労働関係法令に違反している場合は無効となります。

 

また、世の中の流れ的に入れたほうがよい事項などを網羅するのも大変でしょう。

 

今の時期であれば、無期転換ルールなどがそうでしょうか。

 

そこで厚生労働省が、現在の労働関係法令に準拠させ、世の中の流れを意識した就業規則を公開してくれています。

 

これが「モデル就業規則」です。

 

「副業・兼業」の取り扱いはこう変わりました

これまでのモデル就業規則では、副業・兼業については以下のように記載されていました。

 

「労働者は、許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」

 

これが今回のモデル就業規則では以下のように変更となりました。

 

「労働者は、勤務時間外において他の会社等業従事することができる」

 

このように、表現方法が180度変わりました。



原則「禁止」、許可があれば「OK」だったものが、原則が「OK」、問題が発生しそうな場合は「禁止」になったわけです。

 

これまでも許可があれば副業は可能ではありましたが、ずいぶんと副業・兼業のハードルが下がりました。

 

国が、副業・兼業を推し進めていることがよくわかります。

「副業・兼業」が解禁となったわけ

現在の日本の最大の問題は、労働者人口が激減していることです。

 

「労働者を確保できずに倒産」という事例も急増しています。

 

そこでこれまで、労働者人口を増やすために様々な取り組みがなされてきました。

 

・子育て支援をすることで子供を増やす→ゆくゆくは労働者となる
・60歳定年を65歳まで引き上げる(再雇用など)→高齢者が労働者となる
・所得税の扶養控除の対象となる103万円の壁を130万円に引き上げ→じゃあもっと働こうという人が増える

 

副業・兼業をする労働者が増えれば、本業以外での労働が増え、労働人口が増えたことと同じ結果となるわけです。

 

また、少ない労働力で成果をあげるためには、生産性の向上が必要です。

 

最近よく報道等で耳にする「働き方改革」によれば、イノベーションによる生産性の向上のためには就業機会の拡大や環境整備が必要とされ、これにもこの副業・兼業の解禁が一役買うこととなりそうです。

 

労働者のメリット・デメリット

厚生労働省の「副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子(案)」では、労働者のメリットについて以下のように示されています。

メリット:
① 離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、労働者が主体的にキャリアを
形成することができる。
② 本業の安定した所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を
追求することができる。
③ 所得が増加する。
④ 働きながら、将来の起業・転職に向けた準備ができる。

多様な働き方を選択できるという点においては、とても歓迎されることだと思います。

 

特に企業風土が「王政」のような悪しき風習にむしばまれている場合、副業・兼業を解禁とすることができれば、労働者を王様から解放できる可能性もあります。

 



一方で、労働者が長時間労働となる可能性もあり、これについては注意が必要です。

 

まとめ

モデル就業規則を自社に取り入れるかどうかは、企業の自由です。

 

このモデル就業規則の副業・兼業について、すぐに導入するという企業はしばらくは少ないでしょう。

ですが、時間がたつにつれて、副業・兼業を原則OKとする企業が多数派となれば、日本の労働者の働き方は大きく変わっていくはずです。

 

その先にあるのは、創造性のある労働者がより活躍し、そうでない労働者が身を潜めていくという二極化かもしれません。

 

いずれにしても、労働者個人も先を見据えて自己研磨をしなければならないときが訪れそうな予感はします。