業務改善のために、その業務、一旦やめてみませんか?

業務改善にはさまざまな方法がありますが、効果的なもののひとつに、「一旦、やめてみる」があります。

一旦その業務をやめてみて、それで問題が発生したら復活させる、という方法です。

 

 

業務はどうやって生まれるのか

業務は必要性により生み出されます。

たとえば以下のようなものです。

 

 

 

誤ってPCのデータを消したり上書きしたりすることがある → 再発防止のため、毎日バックアップをとる

営業部で活用したい一覧表がある → 営業部にないデータなので、総務部にて毎月一覧表を作成

預金通帳の内容を常に把握したい → いつでもすぐに閲覧できるよう、A4サイズにコピーし内容記入のうえファイリング

業界情勢がもっと知りたい → 知りたい人のため、業界新聞を毎週社内回覧

事務所が汚い → なので、毎朝掃除をする

 

 

 

ということは、必要性のない業務は、いらない業務、ということになります。

ではどのようにして必要性がないことを調べればよいのでしょうか。

 

最も手っ取り早い方法は、その業務をやめてみること

たとえば。

 

毎朝の掃除。職員4人が朝15分時間をかけて掃除しているから、これをやめたら毎日汚れていく度合いはどのくらいだろう。シュミレーションしてみよう。

 

 

とか。

 

 

総務部で作成している、営業部用の一覧表。現在の営業部内にとってこれが必要か、これがあることでどれほど営業成績に効果が表れているのか測定しよう。そのためには現在の営業成績とその要因を整理して・・・。

 

 

とか。

 

 

 

これ、大いなる無駄です。

 

 

 

そもそも検証に時間もかかるうえ、それで得られた結果が正しいものかどうかもわかりません。

どうせ、「よくわからないから今のままにしておこう」となるのが関の山です。

(これ、よく耳にしますよね)

 

 

 

でも実際に業務をやめてみると、その業務が必要だったのかどうか、「問題が発生する・しない」で明確に答えがあぶりだされます。

 

 

業務の必要性を図る最も手っ取り早い方法は、その業務をやめてみることです。

 

やめてみるとこうなった

上記の例は実際に業務をやめてみたことのある実例なのですが、以下の通りの結果となりました。

 

 

PCのバックアップをやめた → 「データを誤って上書きした!」という事例が発生し、以前のデータが必要になった。よく調べると実はサーバ自体を丸ごと毎日バックアップする仕組みに変更されていたので、そこからデータを復活できた。なのでわざわざ手動バックアップする業務は廃止。

 

 

営業部用の一覧表を作成するのをやめた → とくに困ったという声が出てこないので営業部に確認してみると、実は類似の一覧表が別にあり、それを活用して対応していた。なので総務部でわざわざ一覧表を作成する業務は廃止。

 

 

預金通帳のコピーと内容記入、ファイリングをやめた → 通帳の内容を確認する必要が生じたが、昨年からネットバンキングを活用しているため、ネットでそちらを調べて事足りた。なのでわざわざ通帳コピーしファイリングする業務は廃止。

 

業界新聞の社内回覧をやめた → 時に影響なし。どうやらこの業界新聞で情報が欲しい人がいなくなっていた。

 

 

など。

 

結果を見れば、「そりゃそうだ」と思うようなことばかりですが、やめてみないとわからないのが、業務の必要性なのです。

 

 

業務を「一旦、やめてみる」のに必要な2つのこと

1つは、「やめてみた場合に発生する問題の大きさを測定する力」

 

 

たとえばその業務をやめて、会社の存続を揺るがすような問題が発生したら大変です。

ある程度、発生する問題の大きさを測定する能力は必要となります。

 

 

 

そしてもう1つは、「責任をとる勇気」

 

現在ある業務をやめてみるということは、ある意味、その業務を作った上司や、業務を行ってきた先輩たちに反旗を翻すようなものです。

また、自分が主導して行う以上、発生した問題の責任は取らなくてはなりません。

これらに臆するくらいなら、やらないほうがよいです。

 

 

そう考えると、やはり上司や先輩、同僚の理解や協力は不可欠です。

前準備として、必要性に疑問がありつつも、まずは決められた業務をコツコツとやり続けて信頼を得ておくことが重要でしょう。

 

 

 

まとめ  「必要性のない業務=趣味」

業務が必要性によって生み出されるものだとすれば、すでに必要性が失われているのに行っている業務は、仕事とは言えません。

それは、趣味です。

 

 

日々の仕事に追われていると思っていて、実は毎日趣味に興じていた。

そんなことにならないよう、お気を付けください。