登山の魅力とは?|昔の自分に自分で答える
昔の自分に自分で答えるシリーズ。
今回は、「登山の魅力とは?」に自分で答えます。
登山はリアルドラクエだ
君、ドラクエ好きだったろ。
好きすぎて、ついにゲーム音楽を作る仕事に就いてしまうわけだが。
ゲームにどっぷりハマっていた子供時代、
「あー、ドラクエの世界が本当にあったらなあ」って思っただろう。
助けを求める村人からの、ドラゴン退治の依頼。
村から遠く離れたドラゴンの棲家へ、野を超え山を超え。
途中現れるモンスターに苦戦しながらも、なんとか山頂のドラゴンの根城に辿り着く。
そしてついにドラゴンを倒し、村に平和が。
だが。
現実には、モンスターもいなければ魔法もない。
助けを求める村人の依頼を受けてドラゴン退治に出かけることもない。
そんな現実にがっかりしただろう。
安心しろ。
登山はほぼ、ドラクエだ。
この景色を見てくれ。
いや、アレフガルドじゃないんだ。
これはこの前登ってきた、大浪池という火口湖だ。
直径630m、周囲約2kmだから、だいたいギアガの大穴くらいの大きさだな。
登山をすると、こんな非現実的な、ドラクエの世界に入り込めるぞ。
月1登山で普段から身体を動かし始める→気持ちいい
ノリノリでゲーム音楽を作る仕事に就いた君だが、30代から総務職に就くことになる。
驚きだな。
Word、Excelなんて一生使うことがないと思っていただろう。
めちゃくちゃ使うぞ。
しかも本業は経理だ。
信じられないだろうが、会社のお金の計算をしているんだ。
財務分析もしている。
君、なんで会社は自分に良い音楽機材を購入してくれないのか不満だったろうが、今ならだいたい理由わかるぞ。
お前、ちっとも会社の売上に貢献してないからだ。
まあそれはともかく。
君は一日中、デスクワークをすることになる。
しかも30歳を超えてからだ。
これは非常に身体に悪い。
最近では、一日中座りっぱなしでいることは、喫煙より身体に悪いと言われている。
2012年にはWHO(世界保健機関)が、1日10時間以上座っている人は4時間以下の人に比べて病気になるリスクが40%も高くなると発表している。
でも安心しろ。
月1登山で解決だ。
もちろん、月にたった1回の登山をするというだけで、座りっぱなしの悪習慣を帳消しにするほどの運動効果があるとは言わない。
登山自体は全身を、特に下半身をよく使う運動だ。全身もほどよく動かし関節の可動範囲も増えるし、コリもほぐれる。当然体力も付く。
だがこれだけでは座りっぱなしの日常で受けたダメージを取り返せない。
ところが月1登山には別の効用がある。
日常から身体を鍛えたくなるんだ。
私は今、朝または仕事帰りに、ウォーキングやランニングをしている。
距離も時間も大したことはないが、毎日だ。
登山をすると、嫌でも自分に身体と向き合うことになる。
歩いてすぐにこんなに息が切れるなんて。
こんなに疲れるなんて。
こんなに膝が痛くなるなんて。
特に、40代になると、全身がすぐ凝り固まる。
一定時間、同じ姿勢でいると、もう身体がその状態で固まってしまって大変だ。
腰を伸ばすときなんてただの拷問だ。
それに関節の可動範囲が狭くなれば怪我もしやすくなる。
すると、人生も後半戦に差し掛かることもあって、嫌でも今後の身体づくりについて考え始める。
このままデスクワークばかりの毎日で大丈夫なのか。
このままでは登山どころか、一般的な生活ももままならなくなるのではないか。
結果、普段から身体を気遣い、運動するようになる。
そして、これがめちゃくちゃ気持ちいいのだ。
まず、体を鍛えていないという不安感が無くなる。
毎日軽い運動をして、月1登山をする。
これだけで運動不足の不安を解消するには十分だ。
次に、身体を動かし続けることで実際に体調が良くなる。
特に身体の凝りは劇的に改善する。
凝りが顕著に現れるのは主に腰だが、慢性的な腰痛も改善している。
また、日常的な運動が安静時心拍数にもたらす影響も無視できない。
何も運動をしていないときは、安静時心拍数が65~70bpm(1分間の心拍数)と高めだったが、運動し始めると、これが55~60bpmに落ち着く。
安静時心拍数は、体力不足や体調不良時には80回を超えるらしい。
実際、安静時心拍数が高いと寿命が短くなることが知られている。
普段から強度の運動を行うアスリートは59bpm以下だそうだ。
私見だが、安静時心拍数は心の安定と密接に関係していると思っている。
言いようのない不安感があるときはだいたい安静時心拍数が高いときで、心が平穏なときは安静時心拍数が低いときだからだ。
これについてはきちんと調べていないが、おそらく同じような現象を安静時心拍数で説明している論拠はあると思う。
そもそも、我々は昔から「不安でどきどきする」などと表現するわけだから、不安感が心拍数と無関係のわけがない。
また、疲労時に運動をすることで身体が休養することができるということも、近年ではよく知られている。
「アクティブレスト」といって、疲労時にあえて軽く体を動かすことで血流を改善させ、疲労物質を効率的に排出させる休養方法だ。
「安静・休養・睡眠」などの消極的休養(パッシブレスト)に対して、「積極的休養」とも呼ばれている。
つまり朝ではなく、仕事帰りにウォーキングなども、とても気持ちいい。
そんないい事だらけの運動習慣を身につけるために、月1登山は有効だ。
最近運動不足で…なんて言うデスクワークサラリーマンは、とりあえずこのシリーズの居住県バージョンを読んで、近くの山に登ってほしい。
すべてはそこからだ。
まとめ
どうだろう。
登山の魅力が少しは伝わっただろうか。
なんだかんだ言っても、登ってみないとわからないだろう。
キャンプで呑んだくれるのもいい。たしかにあれは楽しかった…(しみじみ)
でも、この歳になると、健康につながる趣味の方が絶対に楽しい。
ぜひ早いうちに登ってみてくれ。